大七【福島県 大七酒造さん】


大七酒造さんへ行ってきました

今年の2月、毎年2月に実施される日本名門酒会の蔵元見学会で、福島県の酒蔵さんを訪ねました。

二本松市にある大七酒造さんを訪問したのは、見学会の最終日。

大学のような立派な建物に、びっくりしました。

現在の建物は、創業250周年を記念して建設されたものだそうです。建設にあたっての決まり事は、「水脈を守ること」と「(古い蔵の)微生物層をそのままもってくること」。生酛づくりの命である微生物たちをきちんと引っ越しさせるために、古い建物はできるだけ丁寧に解体し、使える梁や柱は、新しい蔵のあちこちに使用したそうです。なかでも、生酛室については、古い蔵の壁を覆っていた板をきれいに剥がしてそのまま移植。酒造りも、古い蔵と新しい蔵、交互で行いながら、少しずつ少しずつ生き物たちを移動させ、4年をかけて引っ越ししたそうです。


大七酒造さんの蔵の中で、特に印象に残った風景が2つあります。

1つは、酒米を蒸すための「和釜」です。岩手県の南部鉄器の職人さんがつくったというその和釜には、道具なのに、そこに「命」を感じるような、静かで力強い存在感がありました。

2つ目は、お酒を仕込むための木桶です。仕込みの部屋に大きな木桶が立ち並ぶ様子を見た瞬間、近づきがたいような神聖さと、時が止まっているような美しさを感じました。


東日本大震災が起こったのは、新しい社屋に引っ越してやっと落ち着いたころ。

大七酒造さんでは、毎年防災訓練を実施されており、震災が起こる前の年に偶然、地震の訓練をしていたそうです。地震の揺れを体験できる「起震車」を利用して、社員全員で震度7を体験。そのことを通して、蔵の問題点が見えるようになり、すぐに対策をとったのだそうです。

「お陰様で貯蔵庫のお酒は1本も割れませんでした。幸運にも蔵の被害がほとんどなかったので、私たちにできることとして、あたたかい甘酒を振る舞いました。」

その数、2万5千人分。

 

放射線の影響についても、原子力発電所の事故が発生した直後から、換気扇の停止、空調設備・高機能フィルターの設置など緊急の対策を実施され、その様子を写真に記録されていました。現在も、実施されている対策や、放射線量の測定結果など、現状を詳細にHPに掲載し公開されています。

「安全だからではなく、美味しいから飲んでほしい」

風評被害にも負けず、その誠実で堅実な取り組みと、伝統の生酛づくり・最先端の技術である超扁平精米から生み出されるお酒の味わいが、国内だけでなく、世界で高く評価され、数々の賞を受賞されています。

「時間をかけないとつくれないもの、人の手と叡智を結集させたものの中には、利便性や効率を超えた普遍的な価値がある。時代や国境を超えて、人を笑顔にするお酒をつくっていきたいのです。」と話してくださった太田社長さん。その理想を、決して理想のままではなく、蔵の姿勢や仕事、お酒の味わいとして、本物の形にされていたところに、感銘を受けました。

大七酒造さんが福島から発信されるメッセージに、これからもずっと、耳を傾けておきたいです。


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